喫煙者の脳ミソというのは、たぶん(ry
、「愛・蔵太の少し調べて書く日記」様のところにこんな記述がありました。
話は少し変わりますが、たとえば猪瀬直樹の著作を読むと、この人は「車」は運転するだろうけど「タバコ」には興味がない(あるいは、吸わない)人なんだろうなぁ、と想像ができるわけです。
酒・タバコといった嗜好品、あるいは音楽・映画といった趣味の分野で、漫画家・小説家その他のクリエイターがどのようなものを好き・嫌いなのか、ちょっと興味を持って読んだりみたりしていると面白いと思います。
実は猪瀬直樹先生はタバコに興味アリアリアリアリアリーヴェデルチ!なんですよ。
- 作者: 猪瀬直樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
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禁煙という名のファシズム
鉄道会社の幹部の脳ミソというのは、たぶんラップかなんかでつつまれているのだ。空気を遮断したまま腐っているにちがいない。
もはや古い話になったが、国鉄をJRという妙な名称にして平気なうえに、国電をE電と呼べと勝手に決めて得意がっていた。今度はどんな馬鹿をやったかというと、地下鉄駅構内全面禁煙を宣言したのだ。
ホームというのは、いわば電車に近づく通路のようなものだ。電車の外での行動まで監視する権利はないのである。
それでもラッシュ時の喫煙は遠慮するのがモラルというものだろう。時間を限定したうえでの禁煙は、喫煙者の自発的協力を得やすい。しかも、車内禁煙がこれほど厳しく徹底されている国はめずらしい。こと地下鉄に関しては非喫煙者は充分に保護されている。
だが、ふつうの時間帯についてまで全面禁止にするとなると話はちがってくる。理由を明示できないままそうした場合、どんな結果をまねくか。タテマエとして駅構内に灰皿を置くことができない。タバコの吸殻で散らかるのは目にみえている。
営団地下鉄当局が、全面禁煙宣言をしたきっかけは、ロンドンのキングズクロス駅火災にあった。キングズクロス駅の火災は昨年の十一月十八日である。三十人の死者が出た。炎を煙は木製のエスカレーターを伝わり、またたく間に構内に充満した。
僕はあの駅に限らずロンドン地下鉄の木製エスカレーターをよく憶えている。タバコのすいがらがステップのすのこの間に詰まっているのをみて、危ないなと気になったからだ。同時に、世界でいちばん歴史のある地下鉄の貫禄にも感動したのだった。
キングズクロス駅の惨事から五日目、ロンドン地下鉄当局は、地下鉄施設全域での喫煙をすべて禁止と発表する。火災の原因調査の過程で、火は木製エスカレーターの上部付近から燃え広がったことを突き止めた。つまり原因は棄てられた吸殻ではないか、との見方を強めたからである。
木製エスカレーターがあちこちにあり、出火原因がタバコとなれば、ロンドン地下鉄の措置はわからぬではない。
だがなぜ、木製エスカレーターのない日本の地下鉄当局がこれを真似するのか、僕にはまったく理解できない。キングズクロス駅火災を報じた日本の新聞に、「ロンドンのように木製の電動施設が残っていたり、地下鉄電車の床が木だったりする例は日本にはない」という、日本の地下鉄は安全ですと弁明する運輸省鉄道施設課の談話だって載っていたのだ。
いったいいつから鉄製エスカレーターは燃えることになったのか。納得できる説明をしていない。
ファシズムの原因を軍部の暴走とばかり考えていると、大まちがいのもとである。怖いのは論理が飛躍することなのだ。理由のない禁止が広がれば、なんにでも際限なく適用できてしまう。
禁煙についてはアメリカのほうが厳しいではないか、という反論もあろう。だが違う。たしかにアメリカは禁酒法をつくったり極端に振り子がぶれるが、禁酒法を試してみて駄目ならちゃんと廃止するフィードバック機能がある。日本は一度決めたら、絶対に戻らない。そこが怖いのだ。論理を無視した「正義」というダンビラを振り回すときが、もっとも危ない。 (88.4)
これはひどい。「怖いのは論理が飛躍することなのだ」って、まったくだよ。
当時の喫煙者の認識ってこんなものだったんでしょうか。
だとしたら後知恵で批判するのもフェアじゃないかな。
ただ、営団地下鉄当局は当時、全面禁煙宣言にあたって理由をまったく説明していなかったようですから、禁煙の是非を問わずそこは批判されるべきですかね。
。過去の新聞記事の「運輸省鉄道施設課の談話」なんてものを紹介してるぐらいなのに、地下鉄の公式発表らしいものは一切引用されていないもんな。理由も言わず頭ごなしに禁止にしたと考えるのが自然かな。それらしいものがあったとすればあの猪瀬先生が文中に引用しないはずがない。
まさか隠してるわけじゃないですよね。信じてますよ。