嫌いな奴には賛成したくない

世間の流行に遅れじと、おそまきながら「ダ・ヴィンチ・コード」を読みました。
次はハルヒですか?
普通に面白かったけど、キリスト教圏はともかく日本でミリオンセラーになるほどのものか、とは思うな。で、犯人というか黒幕が実は…
わー!ネタばらしはやめなさいって。
もっと無難な話題にしとくべき?
そうですよ、未読の人に恨まれますよ。取り上げるなら本筋に差し支えのないとこにすべきですよ。たとえば、ここなんかボート部員として面白かったな。

「では最後に、いちばん重要な質問だ」間をとってから、厳粛な声で言った。「ヘンリー・レガッタのスカル競技で、ハーヴァードがオックスフォードに最後に勝ったのは何年かね?」
ラングドンには見当もつかなかったが、相手がこんな質問をする理由がひとつだけ想像できた。
「そんな珍事は一度たりとも起こっていない」
掛け金がはずれる音とともに門があいた。「わが友よ、きみの心は清らかだ。はいりたまえ」

ああ、そこ。イギリス人学者がアメリカ、そしてハーヴァードへの対抗意識むき出しなのがおかしいね。わざとイギリスの優位を主張するようなひねくれた質問したりしてさ。
他にもフランス人警部がアメリカ大使館を憎悪してたり、アメリカ人の美的感覚を試すシーンがあったりで、お互いの国民感情の複雑さが垣間見られるのも興味深いです。
アメリカ人はアメリカ人でフランスが大ッ嫌いらしいし。こんな話があるぐらいだ。

フランスは間違いなく、ブッシュ政権にとって神の恩寵だった。フランスが戦争に反対したおかげで、アメリカ国内における戦争反対派の声は盛り上がりを欠くことになった。アメリカ人にとってフランスは、嫌いな国ナンバー・ワンである。イラク攻撃に反対することはフランスを支持することと同じなのだという論理を持つ政治効果は、絶大だったのである。

これは面白い。すごい深謀遠慮ですね。
ひるがえって日本、われわれの意思が操作されたものではないと誰が言えようか。近いところでは共謀罪、朝日や日弁連、その他極左団体が反対しているから賛成してやる、という短絡的思考が蔓延しているがこれこそコイズミが目論む…
…「みんな、陰謀のたぐいが大好きなのね」(パメラ・ゲタム キングス・カレッジ司書 ダ・ヴィンチ・コード下巻)