何処かで失くしたあいつのアイツ
犯罪者の遺伝子って穢れてると思うんだ♪
え?…今とんでもなく差別的なこと口にしなかった?
だから、悪人の血を引いてるって、それだけで罪だよねって思うの♪
ちょ、おま…
やっぱ、身内にアレがいるってアレだよね。
…おまえがそんな考えを持っていたなんて…お兄ちゃんは悲しいぞ。
…ってな戯言を言ってみたくなる今日この頃なので、安倍晋三先生の「美しい国へ」を読んでみました。
- 作者: 安倍晋三
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07/21
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えーと、「創業から受け継がれるものづくりのDNA」とか聞いたことありません?
…よくある言い回しだな。文化的遺伝子みたいな意味で使われるよね。
「日本人のDNAに刷り込まれた米食」なんて言い方もしますよね。
…まあけっこう聞く表現だな。民族単位で使うのはあまりいい趣味とは思えないし、ちょっとヤな感じはするけど。個人的にはエトスとか文化的伝統とか言っといた方がいいと思う。
じゃあ、ひとを名指しで批判するときにネガティブなイメージとともに「誰それのDNAを継ぐ男」って言うのはどう?
…そりゃマズイ。その場合明らかに家系や「血」を問題にしていると解釈されるでしょ。いやでも、そこまで堂々と人さまの出自をあげつらう人なんて今どきいないだろ?
それがね…時期首相確実と言われる安倍晋三先生関係の発言で見かけるから憂鬱になってしまうのです。
「AERA」2006年3月20日号の吉田司先生の記事とか。
「だから、晋三の血脈には、"私は岸信介のDNAを受け継いでいる"などと軽々しく一方の血脈を選択してはならない約束=宿命(さだめ)が流れ込んでいるともいえるのだ」
「妖怪・岸のDNAにとりつかれると、こういう"危険な政治家"像が全面開花してゆく可能性が高い。」
月刊現代2006年10月号の立花隆先生とか。
…「保守本流のDNA」とかの比喩ならともかく、岸信介のDNAを継ぐ…ってソレ、文字通りの意味だから血筋を問題視してるも同然じゃないか。
あと、オーマイニュースの斎藤貴男先生のコラムにもこんなこと書いてあったり。
はっきり言えることは、半世紀近くを経過した現代においてなお、「岸のDNA」を強調したがる安倍氏が、祖父の政治信条を継承していくことの危険である。
「岸のDNA」を強調したがる安倍氏、というのが気になって「美しい国へ」を読んでみたわけなんですよ。
…あーなるほど、そういうことか。で、どうだった?
ダメダメ。悪くないと思うけど、どこかで聞いたことある話が上手にまとめてあるだけの本でした。岸の話はあまり出てきません。「日本を美しい国へ導くのは岸信介のDNAを継ぐわたしの使命である」ぐらいのことは書いてあると思ってたのに肩透かしですよ。金返せ。
…一部で暗黒結社ゴルゴムの幹部みたいに言われてるから、巨悪らしく徴兵制とかネオコン的タカ派反動ナショナリストな主張ぶち上げてくれてるかと思ったのに。がっかりだ。
思ったより穏健でがっかり…って、そういう無駄にシニカルな態度も大概だとは思いますが、リベラルぶってる人たちがDNADNA言いたがるのは度し難いですね。
…科学的っぽい体裁を凝らそうとして意味もわからず使ってる、とも思えないしなぁ。前にも言ったことあるけど、右傾化を批判してるくせに先天的資質がらみで不用意なことを言う人ってナニ考えてんだろ。
わたしが思うに彼らは…きっと「悪い奴を叩くためなら何してもかまわん」っていう思想がDNAに刷り込まれてるんですよ。
…その発想はなかったわ。
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